開発でクリエィティブは難しい
久しぶりに、「ソシャゲって嫌だなぁ」と思う瞬間がありました。
愚痴です
どこの会社もゲームをリリースする際には、β版というようなお試し版を作って、試遊してレビューを集める機会があります。あるタイトルが、お試し版で遊べるということで、実際にプレイしてみたわけです。
プレイしてみたところ、私の感想は、うーん。。。といった感じ。世界観とゲームシステムがよく噛み合っていない感じがするし、シナリオもよくわからない。他社ゲームをツギハギして作ったという印象が拭えない。「大丈夫かな?」というのが本音。
とはいえ、もうすでに声優は声を当てているから、設定もシナリオも変更不可。ゲームシステムも、きっと工数的に無理だろうということで、せめてまだ変更が効きそうなUIや演出面についてレビューを書いて送りました。
開発の友人に話を聞いたところ、やっぱりそこそこ不評だったみたいです。特にある演出は大不評で、「あの演出はないわーw」と社内で話題になるぐらい。
まあ、あれだけ不評だったし、きっとリリース時には変更されているだろうと思ったのですが・・・・。
なんと、一番不評だった演出にGOサインが出たらしいです。ひっくり返るほど驚きました。なんでも「フックが欲しい」と言われたらしく・・・
そういう無理を言える立場の人って、だいたい偉い人なんですよね。チーム内でも反対が出てるんらしいですが、デザイナーの偉い人がGOを出して、決着がついたらしいですw
ゲーム開発って、いろんな人の意見を全部取り入れると崩壊してしまうので、強引さは必要だと思うんです。だから、偉い人がジャッジすることに不満はないんですけど。
でも、あれだけ不評だった演出を無理やりに入れる意味が、本当にわからない・・・。
「フック」という言い方がすごくソシャゲっぽいな、と思って辟易してしまいました。
ソシャゲ開発あるある
奇抜なことをして、数あるソシャゲのなかで目立てば勝ち。
ユーザーの声なんて知らんぷり、ゲームの世界観?シラネ
2年も3年もかけて考えてきた設定が、途中参戦してきた偉い人の鬨の声でひっくり返る。売り上げが出ればその人の手柄、売り上げがなければ下っ端のせい。
だいたい、声優が声を当てたあとにβをやるってのもおかしい。シナリオの破綻とかあっても、もはや変えられないじゃないですか。
うちのチームでは、新しい機能を入れるときは、何度かチーム全体でプレイ会をやります。そのくらい入念にお試しプレイ会をやらないと、色んな粗が出た状態で世に出てしまうので。
運営ですらそのくらい余裕を持って開発しているのに、リリース直前の、すでにCMの時期も決まっている状態で、β版をやること自体、本当に意味がわからない・・・。
最近はソシャゲの開発も長期化していて、何年も開発してるんです。メンバーも入れ替わり、環境も入れ替わり・・・。やっと、完成系が見えてきたのに、ツギハギだらけの状態で、予算の都合でリリースする。
2年3年かけた大型タイトルが、ゴミになっていくのを見ると、残念でなりません。しかもゴミにした張本人が、責任を取っているところを見たことがない。
リリース時に不具合があっても、ゲーム的に面白くなくても、運営でカバーすればOKという姿勢はまさにソシャゲって感じ。
「面白いゲームを作りたい」という憧れは、この業界に入る前はあったんですが、正直面白いを会社の中で作るのは無理。よっぽどその人にネームバリューがない限り、意見は通らないと思った方がいいです。(あと大したことない中途が大きな顔しすぎ)
ソシャゲで求められるクリエィティブって、本当に本当に狭い範囲なんですよね・・・。友人の愚痴を聞いて、私は絶対に開発に行きたくないなと思いました。開発じゃないUIってほぼ雑用みたいなもんなんですが、その分自分の意見が通しやすいし、融通も効くし・・・。
PCに向かって、そんなことを考えていました。おわり。